サツキ

今朝久しぶりに早く目が覚めて庭を歩いた。雨露に濡れたサツキの花の美しいこと、この上ない。目が覚めるような鮮烈なピンク。朝靄に包まれたまだ薄暗い世界の中で、この花だけが色を持っているようだった。表面張力でぷっくりと花弁に付いた大小様々の水滴は超光沢の飴細工のようで、その一粒一粒が瑞々しい輝きを放っていた。見惚れていると、ハエのような小さな虫が一匹いることに気付いた。途端、虫は吸い込まれるようにラッパ型の花の奥へと進んでいった。